
【書誌】
2冊。表紙寸法、縦29.8糎、横22.5糎。袋綴。見返し金地布目。
挿絵上冊7図、下冊7図。料紙は鳥の子で金泥下地草木文様。
表紙は水色地に種々文様織込布地である。漢字・平がな遣い、
彩色絵で天地は金箔の霞となっており、江戸中期の成立。
【内容】
布袋和尚の伝記物語。布の袋を破れた袈裟に担った、人に布袋和尚と呼ばれる悟りを得た人が中国五代時代にいた。ある時虎二匹が争うのを見た和尚が説法すると、虎は涙を流して山奥に入っていき、村里に戻ると虎の群れが説法聴聞に来た。また文殊菩薩と天竺の言葉で親しく談話した。
布袋は弥勒菩薩の化身で、瘋癲のかたちで現れ、末世の人を導くのである。それから村で子どもたちを友達として朝夕うち交わって暮らし、再び世が乱れ始めたころ、眠るように遷化した。