大はしの中将 トップへ
大はしの中将について

【書誌】
 一冊。下巻欠。表紙寸法、縦24.0糎、横17.3糎。列帖。16丁。挿絵なし。二丁ウ、四ウ、八オ、十一ウ白紙。奈良絵脱のあとと思われる。料紙は鳥の子。表紙、縹色紙水辺草文様。見返し、文様入り銀紙。題簽「上」の文字消しあとあり。江戸初期の製作。

【内容】
 孝行談、読経霊験譚の御伽草子。大橋の中将は、元は平家の武将であったが、梶原の計略により鎌倉に下向し捕らえられた。その後に生まれた息子のまに王は、父を探し若宮八幡の前で『法華経』を読誦しているところを見染められ、頼朝の面前で読誦を行なった。布施として頼朝より父の命を乞いうけ、殺される寸前の父を救った。中将は壱岐・対馬を安堵され、以後は栄華にすごした。