
【書誌】
一軸。寸法、縦24.5糎、横553糎、絵は左右三十六歌仙の歌ごとにその下に歌人像(縦6糎・横10糎)を描く。枯淡の雅味ある大和絵人物画。料紙は鳥の子、表紙は絹金糸菊花紋様、見返しは縦24.5糎・横22糎の金箔無地。表紙は擦過により破損が甚だしい。巻子の奥書に、「右一巻者或人依懇 望書写之卒 重陽日藤原業長 土佐将監光成筆」とある。箱は引き蓋の桐製で、「藤原業長公三十六歌仙 光成絵」とある。光成は、土佐光起の長子で、左近衛将監の官職にあったのは、延宝九年(1681)から元禄九年(1696)まで。十七世紀末の製作か。
【内容】
藤原公任の三十六人撰に撰入される歌仙三十六人について、各一首を撰出して編んだ歌仙歌合。一番「左 柿本人麿 右 紀貫之」から十八番「左 平兼盛 右 中務」まで。各和歌の下には、土佐光成による三十六歌仙の人物画が描かれている。